与太話にもほどがある 射手座パロ。 忍者ブログ
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そして戦利品を読んでいるところなのですが、今回がっつりした射手座本があって浮かれ気分です。射手座熱が凄まじく上がっています。だが私に艦隊戦を描写するスキルはない…!一人一艦隊受け持つ原作射手座形式も大好きなわけですが、スペオペの中にラブを入れるならできれば同じ戦艦に乗っていていただきたい。業務上は敬語同士で自室に入ると砕けた言葉になる古キョンが書きたい。古泉は口調変わりゃしませんが。キョンの作戦を全力で推敲しようとする古泉とか、キョンの(地味な)作戦を却下して派手な作戦を打ち立てるハルヒとかそれを素晴らしくサポートしてしまう長門とか作戦の穴をぽろっと見つけてしまって大いにみんなに感謝される朝比奈さんとか!
しかしどうやっても脳内にはスパロボ風射手座しか浮かびません。全員専用機で色とか各部デザインとかサイズとか違って、ほとんど大きさもフォルムも似通ってるキョン機と古泉機が背中合わせで「まだいけそうか?」「座標E-6を重点的に叩けばおそらく」みたいなお肌の触れ合い回線で会話するところとか。※お肌の触れ合い回線:ガ○ダムなどで出てくる状態で、無線を介さず機体同士が触れあうことで会話を交わすこと。多分。
専用機同士に公式回線とは違うSOS団専用回線が入っているとか当然システムの名前はS.O.S.だなとか色々と。
そんな感じで去年の冬あたりに妄想してみたイベントが↓です。
古泉裏切りイベント、スパロボならきっと34話ぐらい。26話あたりの『コンピ研、強襲』で敵勢力の謎の機体と古泉を戦闘させるとフラグが立ちます。そこで一撃で倒してしまえばこの話の裏切りは発生しませんが、その代わり後に古泉の裏切り疑惑が軍内に持ち上がり、全員初期気力-10で出陣することになります。
ちなみに古泉離脱は30話『その手に踊らされる時』くらいで。古泉復帰後、武装追加。
艦長は鶴屋さんです、これは譲れない。
後は謎の設定も発見。二行目は精神コマンド、要するに呪文みたいなものです。尤もイメージなので、本編開始後には出てきません。
SRWパロ(射手座風)機動兵器Ver.
 能力は射撃寄りなのになぜか専用機が格闘寄りなキョン。
ひらめき・集中・不屈・脱力・直撃・魂
 一時裏切りあり、普段は射撃中心だが裏切り時は命中が落ちる古泉。
集中・必中・直感・熱血・友情・補給
 突撃・格闘・超高機動なハルヒ。
加速・直感・集中・熱血・覚醒・魂
 修理補給機体、ありったけのフル装甲な精神要員みくる。
不屈・応援・祝福・信頼・脱力・期待
 長距離射撃特化、索敵超小型戦闘機搭載の長門。
ひらめき・直感・感応・集中・覚醒・魂


第34話『道化は踊る』

「SOS団のみなさん……こんな形でお会いすることになってしまって申し訳ありません」
こんな事態に陥ってまでなお敬語を崩さない古泉に、キョンはもう笑うしかなかった。その通信に使われた回線は全方位ではなく、SOS団専用の回線だった。長門が、古泉からのそれをシャットダウンしていなかったというのは少々キョンに思わせるものがあったが、今はそんなことを言っている場合ではない。
キョンは珍しくも、誰よりも早く戦場を駆けていた。
いつものように後方からの長門の援護、待機しているみくるの声、苛立ちをぶつけるように敵機を蹴散らすハルヒを感じながらも、誰よりも早く。目標への直線上にいる敵しか相手にしていなかったのだから、後でハルヒに怒鳴られることもあるかもしれないが、そんなことはどうでもよかった。ただ単純に、こんなときいつも機体を並べていた男のもとに辿り着きたかった。
「古泉くん!」
叫ぶようなハルヒの声が通信に混ざる。なんで、と呟くみくるの声が耳に残る。映像を切ってあるからはっきりとはしないが、長門もあの白い顔でその声を聞いているのだろう。
「しかし、今の僕は」
高速で飛んでくるミサイルを回避、撃ち落とす。胸部から実体ブーメランを二本発射し、撃墜した。
「あなたたちの敵だ……!」
キョンは機体の速度をゆるめないまま、機体を目に捕らえた。その機体の背後に浮かぶ母艦らしき黒い戦艦が、幽霊のような影に見えたのは気のせいだっただろうか。
だが間違いはない、キョンには自信があった。己が彼の乗っている機体を間違えるはずがない、という鮮やかな確信が。
「そうかよ!」
一言も発していなかったキョンがそう言ったのは、古泉の機体を真正面に捕らえた瞬間だ。
「あなたですか」
古泉の声はブレてはいなかった。ただ奇妙な落ち着きを、殉教者にも似た響きを内包していた。
キョンはそれが気に入らないとぼやき、周辺宙域を素早くチェックした。有視界内に入るのは古泉の機体と敵戦艦のみ、あとは背後でときたま閃光が走るが、それが味方の爆発光だとは微塵も思いもしなかった。
「古泉、本気か」
青いバーニアの光が瞬くのを、古泉は黒くペイントされた機体の中で見ていた。SOS団内でのパーソナルカラーは緑だったこともあり、共に脱走した機体も緑色でカラーリングされていた。それを塗り直したのは上層部の判断だ。自分の所属する場所をわかりやすくするようにというよりは自覚するようにというその判断に逆らいたくなったのを、古泉は覚えている。それは郷愁に似た感傷だったのか。
キョンの機体は軍服の色とは違う濃い紺に塗られていた。それが宇宙でも輝いて見えていたのは、古泉の目の錯覚だったのだろうか。だが、敵となった今でもその機体は、彼を内包しているというだけで輝いて見えるのだ。
「もちろん本気ですよ」
古泉は見えないとわかっていてもコクピットで肩をすくめた。そして照準をじりじりとキョンの機体に合わせようとして、ひと思いに出来ない自分に愕然とする。
「そうか、わかった」
「ちょっと何言ってんのよキョン!」
静かに答えた彼に文句をつけるハルヒは、数体に囲まれてすぐには身動きが取れない状態にあった。母艦の鶴屋からキョンくんが前に出すぎだよっ、と警告も入っていたが、キョンはそれには答えなかった。
「それなら……お前がそこまで言うなら、俺を撃ってみろ」
誰もが、その通信を聞いた誰もが言葉を失った。
そしてハルヒが我に返るよりも古泉の方が早かった。
「大人しく僕に撃たれてくださると?」
「そうはいかん。抵抗はさせてもらうさ」
「そういえば、演習ではいつも引き分けばかりでしたね……」
世間話のような会話に、誰も割り込めなかった。
ただ耳を傾けながら敵機を撃墜し、そして最後の一機が長門の狙撃によって落とされた。
「ああ、遠慮無く――俺を殺してみろ、お前の手で」
壮絶な声色だった。
古泉はゆっくりとブーストライフルを構える。
「そうさせてもらいましょう、そうすればみなさん、僕がもう仲間ではないのだということがわかるでしょうから」
何かを吹っ切るように、古泉は叫んだ。
「ブーステッド・オン!」
「コネクト・リンク! 起動!」
古泉のライフルに光が集い、キョンの機体の所々に青い光の筋が走る。
それが合体攻撃を行う時の前動作だと、みな気付いていた。
「ちょ、ちょっと! 二人とも止めなさい!!」
慌てふためくハルヒだが、そこからならどんなに飛ばしても間に合わないとキョンは読んでいた。不可能を可能に、現実を奇跡にするのが涼宮ハルヒではあったが、戦闘後の機体は思うように言うことを聞いてくれないだろう。
「行くぜ、古泉」
「行きましょう」
そして常のように呼び掛け合い――二つの機体は飛んだ。
宇宙を切り裂いて、その終着点に互いを選んで。
古泉はキョンに肉薄される前に勝負を付けなければ、勝ち目は薄い。そしてそれを知っていて、古泉はライフルを構えたまま移動をしている。飛び回ったまま射撃をするのは、古泉の得意技でもある。
銃口に収束したエネルギーの塊を見据えながら、キョンはシールドを放った。邪魔だと言わんばかりの行動に古泉は驚かされるが、狙いがずれることはない。
このまま撃て、と自分が叫ぶ。それは連合に下った自分の声だ。
だが、古泉一樹は――?
一気に距離を詰めたキョンが、右のマニュピレーターに握ったビームナイフを突き出そうとしている。
古泉は咄嗟に引き金を引いた。音など聞こえるはずもない真空に、ぐがんと金属がえぐり取られる音が聞こえる気すらした。
キョンの機体は右肩がえぐれている。だが、これは直撃ではない。余波であるが、キョンは回避行動を一切取っていなかった。ならばこれは自分が外したのかと、戦闘中だというのに半ば茫然と見やる。
そしてキョンは右腕が使えなくなったことなど意にも介さずそのまま突っ込み、古泉とすれ違った。
「な……!?」
慌てた古泉が振り返って見たものは、遠ざかるキョンの機体だ。その先には何があるか、考えるまでもない。連合の戦艦が高みの見物をしていた。
背中にどんなもんだと得意げに笑っている彼の顔を幻視して、古泉は動けなくなる。
古泉は知っていた。実はキョンは射撃の方が得意だということを。
古泉は知っている。彼の機体には数少ないながらも射撃武器が常備されていて、こっそりカスタマイズされているということを。
キョンは左手で黒いメガ・ライフルを構えると、一瞬の躊躇もなく前方に向かって撃った。
当然それ一発で沈むほど戦艦はやわではないが、今回古泉が乗せられた艦は旧型の補給艦だった。新型ならまだしも、最新鋭機体の射撃を八発全弾食らい、平気な顔はしていられない。
弾切れのキョンの機体を、撃とうと思えば撃てるにもかかわらず古泉は動けなかった。
背中越しに見える爆発光を信じられない思いで見ていた。
「……どうだ、騙されただろ」
少し得意げなキョンの声が聞こえてくる。
「あなた……あなたという人は」
「お前の考えてることなんかお見通しなんだよ。情報の流し方は半端だわ、通信記録残してるわ、どう考えてもお前が本気で裏切ったわけがない」
脅されてたんだろう? と訊いてくる声に頷くしかなく、それゆえに頷けない。
「あの艦もどうせ監視だろう。大方、ここで手抜いてたら戻った後銃殺とかそういうシナリオだろ」
ぐうの音も出ない。口先で煙に巻くのは古泉の得意技だというのに、頭の中はぐるぐると驚愕と歓喜、焦燥と困惑が混じり合ってまともな思考回路にたどり着けないでいる。
「あのぉ、あたしもそれは今初めて聞きましたけど……」
すみません、と通信機越しにみくるに謝る彼がいる。彼は仲間にも内緒でそんなことを自分の中で結論づけていたらしい。いいえ、とみくるは存外に落ち着いた口調で続けた。
「でも、あたし……ううん、あたしたちはずっと信じてました。古泉くんが本心から裏切ったわけじゃないって。だって、SOS団の仲間なんですから」
柔らかな声は暖かく優しい。これから起こることをしらない未来人の彼女は、きっとコクピットで笑っているのだろう。
「通信記録はわたしの判断で閲覧した。あなたの離脱は外部からの横槍による理由があったものだと推測されたが、その証拠がなかったから。結果あなたのプライバシーを侵害してしまったことを謝る。だけど、わたしはわたしの行動を悔やんではいない。この結果になった今となっては、尚更」
訥々とした声は硬質でも低音でもない。真の切り札である宇宙人の彼女に、情報云々で太刀打ち出来るはずもなかったのだ。
「古泉くん」
ハルヒの改まった声に、流石に古泉は背を正した。
団長の彼女に逆らった罪は如何ほどのものだろうか。
「今回あなたが独断でやったことでSOS団に迷惑がかかったのは間違いないわ。よって、明日から一ヶ月無給労働を言い渡すわ! きりきり働いてもらうわよ!」
それは、赦しに間違いはなかった。最後に敵を倒した場所から移動もしていない全ての可能性、SOS団団長の彼女は、きっと胸を張って快活に笑っている。
「……お帰りなさい、副団長」
「おかえりなさい」
「お帰り」
嬉しさを隠さないハルヒの声に続いて、女性陣はそれぞれ古泉にそう言った。
そして一番近くにいるキョンは、変わらずぶっきらぼうに言うのだ。
「ここまでやって帰ってこないとか駄々こねるようなら、俺が直々に引導渡してやるぞ」
古泉は嘆息する。
なんという人たちだろうか。
守ろうと思って起こしたアクションだった。だから結局、全てはこの優しい人たちのために。
それが全く必要はなかったというのだから、笑えばいいのか泣けばいいのかわからない。
自分が愚かだったのだと、数瞬古泉は目を閉じた。
「ごめんなさい……ただいま、帰りました…………ありがとう」

敵機の影無し、撤収するとのことでキョンと古泉は肩を並べて母艦を目指していた。下手に遠くまで来ていたために、多少時間がかかる。
「ところで、一つ聞きたいのですが」
今回は専用回線を開いているのではなく、機体同士が触れあうことによって漏れないように会話が出来るお肌の触れ合い通信というものを利用していた。
「僕が本当にあなたを撃墜したらどうするおつもりだったんです?」
「お前は当てないと信じてた」
ぴしりと古泉は固まった。面と向かって聞いていなくてよかったと思うほどには、顔面が熱い。
だがキョンは事も無げに否定した。
「というわけでもなく……まあ、撃てないだろうと思ってはいたが、兼ね合い上撃たんわけにもいかないだろうとも思っていた。だから、なんだ」
そこで一旦言葉を切った。恐らく髪をぐしゃぐしゃとかき回しているだろうことが想像でき、今度は面と向かっていた方がよかったなと勝手なことを思う。
「…………お前に殺されるというのも、悪くないもんだと……あーいい、なんでもない、終わりよければすべてよしだ」
顔面が沸騰して死ぬかと思った。
そんな死に方をしたら後生まで語り継がれること間違い無しだが、本気で古泉はそう思った。
だが、同時に彼が自分に殺されるということがないだろうことも気がついていた。彼を殺していたら、SOS団に関わる誰もが自分を許さないだろう。そんな状態に彼が自分を置くことがないと思えるほどには、古泉はキョンの気持ちを理解していた。
「ありがとうございます」
ありったけの気持ちを込めて、感謝を。好きだという想いも、愛情も、何もかもを詰め込んで、礼を。
それが伝わったのか、彼は二度とこんなことすんな、と少しばかり鼻声で応えた。

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