[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
ぼちぼちやっていきますので、よろしくお願いします。
開設したはいいのですがオフ原稿がすぐ待っています!
小説は分裂まで読了、アニメも全部見ました。
好き勝手なことを書いていくサイトですが、よろしくお願いします。パラレルシリーズも増える予定です。
こちらは日記というよりは更新後の色々とか小ネタとかを置いていく形になります。サイトの更新ペースは遅い方ですので、たまに思い出したときに見て頂ければ幸いです。
今あるものについてうだうだは後ほど。
書いてみたら短かった話を置いておきます。
粘着質な古泉がキョンに期待する話です。
この人は許容と受容でできている、と僕は勝手に思う。
もちろん、今他愛もないボードゲームに付き合ってくれている彼のことである。
僕の思考は正直三分の一が世界やら『機関』やら涼宮さんについてのこと、三分の一がSOS団他益体もないこと、そして残りの三分の一が彼のことで占められていると言っても過言ではない。そんなことを言ったら彼にどん引きされてしまうだろうから、言うつもりはない。
彼の本質は諦めよりは許しだ。
涼宮さんの暴走を止めきれなくて諦めるのではなく、止められないながらも許している。
その証拠に、抗うべき事態にはとことん抗うのも彼の一面である。
そして事態をあるがままに受け入れる柔軟さがある。
長門さんの言葉を、朝比奈さんの理論を、そして僕のあらゆる意味での告白を、たっぷりの戸惑いと躊躇いと共に受け入れてしまう。不条理な世界を、それでも自分で選んで歩いている。
彼は器に似ている。
やわらかな曲線の、少しだけ沙がかった浅いガラスの器だ。
高い高い所から落ちてきた色とりどりのビー玉を受け止めてもなお壊れない、しなやかな。
そんな彼の隣に、僕がいてもいいのだろうかと考える。
物理的にも精神的にも、彼の一番傍にいられるのは僕だ。
これは多少の自惚れが入っているが、概ね間違ってはいないだろう。
さて、この行幸にして至極なる椅子を明け渡す気が微塵もない僕は世界に対する反逆者なのだろうか。
そんなことも含めて、僕は考える。
やがてそんな僕に気がついて、彼が声をかけてくれることを期待する。
きっと呆れた声色でもって、何をくだらんことを延々と考えているんだ、とかそういうことを言ってくれるに違いない。そして僕はなんでもないふりをして、彼がそれをさらに見抜いてくれるのを待つのだ。
甘美な妄想にして、もうすでに二回ほど繰り返された一連の流れだ。
お前な、という呆れた声が、暖かさを含んでいるのをもう僕は知っている。
「……古泉」
「ああ、これで王手ですね」
わざとはぐらかして、彼の反応を見てみる。将棋でもう幾度目ともしれない勝利を手にした彼は、小さく溜息を吐いてみせた。
「ぐだぐだと何考えてるんだ、お前」
幾分か小さな声、ああ暖かいとやわらかな気分になりながら、僕はなんでもないふりをする。
「なんのことでしょうか」
ぼくはしあわせだ。
末期な古泉と言うべきだったかもしれません。