与太話にもほどがある 忍者ブログ
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正月も大分過ぎたどころか節分まで終わって陰謀週間に入ってしまっていますね。
絶賛公開中の映画をちょっと遅れて見てきました!
流石に公開中なので隠します。あともう自分の主観バリバリというか薔薇百合要素ばっかりだったり原作についてちょっと批判的とも取れる解釈があったりしますのでご注意下さい。
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明けましておめでとうございます! 本年もよろしくお願いします。
友人が誕生日なのでプレゼント代わりに初・ティフリ。でもジタンがいるのは仕様です。



「のばらー」
それは、ティーダが呼ぶたった一人の人を指したあだ名だった。何人かと夢を共有する彼が、大切に大事に持っている夢の象徴。夢、という単語にちくりと胸に痛みが走る気がしたが、気のせいでやり過ごした。
だが今彼を呼んだのは、快活な雰囲気と髪の色こそ似通っているが有り体に言ってしまえば背丈が大幅に違う、尻尾を持った仲間だった。
「なんだ?」
こだわりなく振り返ったフリオニールに駆け寄ったジタンは、身振り手振りしながら何事か話しかけている。お姫様、だとか花が、という単語は聞こえてくるが、少し後ろを歩いているティーダには何を話しているかまでは把握できない。金の糸をさらさら揺らしながら笑うジタンに釣られたように、フリオニールも苦笑してジタンの額をつついた。両手で大袈裟に額を覆ったジタンは、やはり楽しそうに笑っている。
なんだかなあ、とティーダは思う。自分でも知らないうちに唇が尖っているが、幸いにもペースを合わせて歩いている人間がいないために指摘されずに済んだ。
はっきり言ってしまえば、面白くなかった。
だって自分がのばらのばらと、半分からかうように言った時は大分叱られたのに。そのうち諦めたように許容されたのだが、他の仲間たちは合流した後もそのあだ名で呼ぶことはなかった。そもそもフリオニールは冗談が通じない男ではないが、実直で若干純粋すぎるところがある。素直なのはもちろん彼の美点であるのだが、どうにもそれは彼を困らせることを仲間たちに避けさせた。真っ赤になって怒鳴るフリオニールはかわいいのだけど、あまりやりすぎると反論を放棄して逃げてしまうのだ。くるりと肩を怒らせて背中を向けてしまう、その背中に関してはティーダはあまり好きではなかった。普段の、走り出す背中などはタックルしたくなるレベルで好ましいというのに。
あだ名を、呼んだのは。
短く呼びたいだけならフリオでいい、咄嗟の時はそちらの方が口をついて出る。
わざわざ相手が嫌がるかも知れないというリスクを負ってまで、彼の大事な物で称したのは。
フリオニールの、夢を、自分が意識していたかったからに他ならない。それが例え自分がいない世界で叶えられるべき夢であっても、それが夢である限り。そこに、自分が関わっていられるのではないかと。同じ夢を見ると言った仲間たちと同じように、あるいは別の形で、ティーダという要素が彼の中に残るのではないかと。
明確にそんなことを考えていたわけではないが、ある程度そのような考えが頭にあったのだ、と思う。未だに思い出せない、よくわからない、ティーダが帰るべき世界のことを、それこそ全く思い出せていなかったあの時でさえも。
少し沈んだ赤いバラ、それを弄ぶフリオニールにふざけて飛びついた時に。
――やはり、気に入らない。
心が狭い気がしないでもなかったが、うじうじと悩んでいるのは自分らしくない。
話が終わったようで少し歩調を緩めて歩くジタンの、ゆありゆありと揺れる尻尾をぱしりと捕まえた。
「う、わっ、……なに?」
案外丈夫な尻尾であることは知っている。ある程度自在に動き、物に巻き付けて持ち主の体を持ち上げることすらできる。実際それを使って上手いこと二人で連携したこともある。ジタン自体に何ら嫌な印象はない。ないのだが。
「なんでもない、ッス」
「いやいやなんでもなくて尻尾掴んじゃ駄目だろ」
元々ぎゅっと掴んでいたわけでもない尻尾が、ティーダの掌を撫でてするりと逃げる。フリオニールがセシルと何か相談しだしたのを確認してから、ティーダはジタンに顔を寄せた。そのあからさまな内緒話をしよう、という誘いにジタンは首こそ傾げたが、面白そうだとそのまま乗る。そんな二人をちらりと横目で見たクラウドが追い越していく。
「……なんでのばらって呼んだんスか」
「はあ?」
少しは頭の中でどういう風に言おうかこねくり回したりはしたのだが、結局ティーダの口から出たのは単刀直入なものだった。結局それが気になっているから、他の言葉など浮かばないのだ。
一方ジタンの方は、実に細かいことを聞かれて面食らっていた。ティーダがどんな答えを求めているのかすぐにはわからない。
「ノリ? なんとなく?」
至極適当に答えながら、眉根を寄せたティーダの顔を見る。笑顔でない彼の顔を見るのは珍しく、ジタンは距離が近いのをいいことに歩きながら観察を試みた。気が付けば少々一行の歩みから遅れてしまっているが、許容範囲だろう。幸いにもここは秩序の聖域と近い性質の領域のようで、見晴らしはかなりいい。
ティーダはジタンから見る限り、機嫌が悪そうに見えた。機嫌が悪いというよりも拗ねた子供のような、とそこまで考えが至って、ジタンは顔に出さずに納得した。
「一回呼んでみたかったんだよ、フリオニールってああやって呼ばれるとちょっと嬉しそうに振り向くなーって思って」
「へ」
ジタンはティーダから少し体を離して半歩前に出る。頭の後ろで手を組んで、一瞬歩みが止まってしまったティーダが慌てて歩調を早めるのを眺める。その顔は不機嫌から、驚きと喜びの色が滲み出している。わかりやすいなあと好ましい感情と共にジタンは思う。
「でももうオレは言わないよ」
ティーダが追いつくか追いつかないか、その間際に言い放つ。
「……なんで」
なんでっておまえ、と笑い出したくなるのをジタンは我慢した。ティーダが呼ばれたくないんだろう、と言うのは簡単だが、それを指摘してしまっては気の毒だ。それに理由は本当にもう一つある。
「オレが呼んでも嬉しそうじゃなかったから」
「……わかるように言ってくれよ」
今度こそくっきりと拗ね顔で顔を曇らせたティーダを、ジタンはにやにやと見やる。ジタンとしても、この太陽を曇らせたままにしておくのは忍びないのだ。
「のばらって呼んだから嬉しそうなのかと思ってたけど、違った。ティーダが呼ぶとフリオニールは少し嬉しそうに振り向くんだな」
「……嘘?」
「嘘言ってどうすんの」
ティーダの、その事実に気付いていなかっただろうティーダの、その頬に血が上っていく。
それはそうだろう。本人が呼びかければ常にフリオニールはそんな感じで振り返ってくれるのだから、逆にティーダは周りが呼んだ時の彼の反応を知らないだろう。決して悪いわけではない、だが人によっては少し緊張した顔つきになったり、極力平静に見えるようにと振り返ったりする。ジタンがバッツと一緒に突撃すると、呆れたような顔になる時もある。ティーダが呼ぶと、フリオニールは少しほっとした顔で振り返る。安堵であり、嬉しそうであり、落ち着いた顔で、どうしたティーダ、と呼び返す。
ジタンはそれを羨ましいとは思わないが、気が付いていないのはもったいないなと思う。
時間は限られていると、誰もが悟っている。ならばその中で、陽光満ちる花畑がたくさんある世界を望むのと同じように、仲間の安らぎと幸せをジタンは願っていた。
「……のばら」
頬に火照りを残したまま、ティーダが小さく呟いた。
それを聞きつけたのかどうかはわからないが、大分離されてしまったフリオニールが振り返る。
ほら見ろ、とジタンは思った。
「――ティーダ、ジタン! 置いていくぞ!」
「待てっての!」
フリオニールが二人を呼ぶ。ティーダは血を下げるように軽く屈伸してから、思い切りよく駆け出した。向かう彼の真っ直ぐな目は、最早フリオニールの姿しか入っていないに違いない。
「せーしゅんだなあ」
ティーダよりも年下であるはずのジタンはいやに大人びた口調で呟いて、その後を追った。走る必要はない、ティーダはすでにフリオニールに追いついてはしゃいでいるし、その視界の中には仲間たち全員の姿が収められている。
「やっぱ世界を救うってだけじゃね」
大きすぎて全体しか見えない目標もいいが、時に人は小さな自分だけの目的を見いだす。
それを見つけようと足掻いた仲間もいる。そのために戦うと言い切れる仲間がいる。
さしずめ、ジタンの目的は仲間の無事、になるのだろう。
これでレディが多ければな、とジタンは舌を出して、暗い空の下を仲間と同じ歩調で歩き続けるのだった。



……ティフリ+ジタンっていうか、ティーダ+ジタン?
いえあのすみません気が付いたらジタンが主役になってました。
そんな感じではありますがハッピーバースデーディアフレンド! 良かったらお納め下さい。
実際ティフリって凄い組み合わせだと思う。だって太陽がないとのばらは咲けないんですぜ…! あと夢というキーワード繋がり。フリオニールの「夢」(希望とかの類)にティーダがいてもいいんじゃないのとよく思っています。
さよなら2009年、こんにちは2010年。
目下の悩みは10.01.01とかだと日付に見えないところです。常に十月。
今年も終わりますが、来年も変わらずやっていきたいと思いますのでよろしくお願いします。
しかし更新状況は変わりたいです!全サイトひっくるめて最後の更新が五月の上それが去年の正月ネタとは! が、がんばります、とりあえず百合と百人一首@ハルヒ、正月アサバードと愉快な仲間たち、なんでもないチェイサパラあたりを書きたいです。
もっと量増やすか、小ネタをばーっと書けるようになりたいです。
しかし元旦がお休みでないと正月という気がしない。

冬コミお疲れ様でした!私は一日目サークル参加、二日目は一般で参加してきました。
全体的に寒さが穏やかなコミケではなかったかな、と思います。たまに夏コミの気分になれました。
当スペースに来て頂いた方、本当にありがとうございました!
しかし本人はほとんど会えてないんですがこれはどういう運命ですか(買い物を我慢しなさい)。
……すみません、ご挨拶に来てくださった方と面と向かってお話をした記憶があまりありません…。
お手伝い頂いた売り子さんからお言葉とお気持ちは受け取りました!次回機会があれば是非お会いしたいです!
分不相応にも差し入れを頂いてしまいました。あんまりにもかわいくて写メろうかと思ったレベルです。柔らかい宝石箱みたいでした。開けようとしてもったいなくて開けられないパターンを五回ぐらいやりました新年に開けます。
来年は三月春コミにハルヒ、五月はサークル参加を少し迷っていて、夏はROです。
二月の射手座の消失にはサークル参加はしません。一般で行きます!多分!
少しオフに比重が傾いている(割に新刊少ない)ので、オンにもうちょっと力を入れたいです。
ゲーム本編はちまちま自重しつつやっていこうと思います。

それでは、よいお年を! 
あなたの一年が幸福であったことを祝い、また次の一年が幸福であることを願って。
とりあえず明後日が冬コミなんて信じない。
というわけでコピー本を諦めましたすみません…。心の余裕と時間の余裕が必要ですね。

で、冬コミですが、一日目参加です。
アサバードの新刊は出ます! さっき見つけた半年前に書いた今回の予定を見たら、タイトルが「あるバードの粘着」になっていました。うんまあ言いたいことはわかる。というか現タイトルよりわかりやすいんじゃ…いやそんなことは…。
あとどうやら記憶喪失的なネタを書こうと目論んでいたようです。せっかくなので9冊目に出す予定の短編集に混ぜようと思います。来年中には「アサバード10冊目!」を出したい心意気です。
半年前の自分にはもう一つ、このタイトルハルヒなのかログクルセなのかと突っ込みたくなるものが書いてありました。いや多分ヤンデレログクルセなんだろうなと思います。
サークルチェックも終わって楽しみです!今回配置がカタログ上だと飛んでて面白いですね。ざーっと縦に動くよりはまとまってる感じがするので好きです。
ハルヒも新刊をいくつか持っていきますー。

二日目は一般参加です。全身全霊をかけてルートを考えようと思っています。
……オフはともかくコピーは無くなる可能性がある…!あれを買えなかったら泣く!迷惑にも泣いてしまう!
要は西から入るか東から入るかで悩んでいる次第です。MR読むと西→東の方が前回は混雑したようなので東からの方が移動しやすいかなとは思うんですがハルヒ!西はハルヒなんですってえええ!
難しいところです。相方と相談しますですはい。

ところでこのブログ携帯から見ると「…」が見えない。というか記号が見えないのか?矢印も見えないし、でも「!?」あたりは見えるしなあ。
そしてどーもROのサイト表示が変なことに。完全移行も考え中です…。容量は余っている。
というわけでちゃんとアサバード本出ますー。
とりあえず今からログクルセの薄暗いコピー本を出すためにもう一頑張りする予定です。
詳しい内容・更新はコピーの目処が立ってから…。

アニバーサリー関係のイベント一つもやってないです!
クリスマスも蜃気楼も始まっちゃってひいいってなってます。どーしよ。
とりあえず自分用メモでも。

龍神祭・アニバーサリー 22日まで
クリスマス・蜃気楼 29日まで

……がんばろう、うん。
お察しの通り、銀新小咄です。ネタとしては各話独立してます。銀→新?

・クリスマス前

「……大体よぉ、世間の馬鹿共が浮かれ騒いでケーキ食ってアイスケーキ食ってケーキ食う聖夜になんで働かなきゃいけねーの?」
「世間様が働いてない時が稼ぎ時だからに決まってるでしょう。てかあんたの頭ケーキ食うことしかないのか」
「んなこたねーよ? ちゃんと生クリームたっぷりパフェも食う」
「食えるかぁぁぁ! そもそもクリスマスだなんだって異国の聖人の誕生日でしょう、なんで便乗してケーキ食べようと思ってんですか」
「いいか、俺はケーキが食える機会とあれば異人の宗教だろーとなんだろーと魂売ってやんよ。だが金は出さねーぞ! 捧げるのは俺の汚れなき心だけだ!」
「捧げられるもん残ってないんですね」
「おいおい新八くん、それ汚い大人だと思ってる目だね、上司に向かってそれはないよそれは」
「……どうせクリスマスに一緒に過ごしたい相手なんていないんだからいいじゃないですか」
「……なに? 喧嘩売ってる? 自慢じゃねーが銀さん結構モテますからね、大人の魅力だからねこれ」
「確かにゲストキャラに対して片っ端からフラグ立てる様は尊敬に値しますが、長続きしねーじゃねーか。後お通ちゃんと万に一つでもフラグ立ったら抹殺しますから」
「こわっ! 今メガネが光ったよこの子こわっ! ガキに興味はねーっての、大体フラグフラグってお前、あんまりメタ的な発言するんじゃないよ」
「その発言自体アウトです。神楽ちゃんと姉上に手を出した場合通報しますから」
「……ない、それはないわー、手ぇ出した瞬間その手が無くなりそうじゃん、消失しちゃうじゃん」
「わかってて言ってます」
「そもそもな、義姉になる奴に手出してどうするんだよ、確執が残るだけよ? 昼ドラ並のどろどろ展開とかもう俺には着いていけないからね?」
「……ん?」
「ああ姉って義理の姉と書いて姉だから」
「……んん?」
「何メガネが豆鉄砲食らったみたいな顔してんだよ」
「鳩だから、何一つ上手くないから。ってか、義理……?」
「お前の姉ちゃんなら俺の姉ちゃんになるだろ。あーでも年下の姉か、妙な感じだなぁおい」
「……は? ちょ、ちょっと、あんたさっきから何言って」
「え、新ちゃんその気ないの? ひどい、俺を弄んだのね!」
「そんな覚えねーよシナを作るなぁぁあ!! ってか、え? ええ?」
「……まあそういうわけでだなあ、新八、ここは一つ」
「……え?」
「結婚を前提にお付き合いしてくれませんか」
「……僕目だけじゃなくてついに耳までおかしくなったんでしょうか」
「安心しろ、ちゃんと眼鏡掛けとして機能してるから心配ない」
「外見の話じゃねえよ! ……っ、あんた、マジで言ってんですか」
「大マジ。お前が言ったんだろうが他の女じゃ長続きしねーって」
「……いや、そりゃ、あんたみたいなちゃらんぽらんで死んだ魚の目してて糖尿寸前で稼ぎ悪くてぐーたらで何考えてるのかわからない金遣い荒い人間に付いてくる人なんてそうはいないと思いますが」
「やべぇ銀さん今ちょっと泣きそう」
「なんで、僕、なんです?」
「……そりゃお前、惚れてるからに決まってるだろうが、察しろよ」
「察せられるか! 今の今まで気づかなかったよそんなこと!」
「んだよ鈍いなぁ、だからお前は新八なんだよ」
「なんで告白された直後にけなされてんだ僕は」
「誉めてるけど」
「…………」
「助手として、じゃなくてだな、別の形で俺を幸せにしてほしーんですよ。俺の不幸分けてあげるから」
「おぃぃぃぃい! それ等価にもなってねえよマイナスだらけじゃねーか!!」
「そんかわし、お前を幸せにするよ、お前の不幸だって背負ってやる」
「……んな、こと」
「……なぁ、頼むよ」
「……あんたと付き合う女性は不幸になるってずっと思ってました。無茶するし、生活力あるくせに使わないし、屁理屈だし」
「お前の中で銀さんけなしがブームだったりするのか」
「女性が不幸になるの、僕嫌いなんですよ」
「そらな、お前シスコンだしフェミニスト入ってるし」
「……だから、僕の不幸三分の二ほど請け負ってくれるなら、……その」
「……全部もらってもいーけど?」
「全部? あんたにそんな重いもん渡せますか、これ以上」
「……新八」
「大体僕ぁね、よぼよぼのじーさんになった銀さんの介護して墓作ってから死ぬって決めてんですよ」
「マジでか」
「だから、おじいさんになるまで生きててください」
「俺ぁそう簡単には死なねーよ、知ってるだろ?」
「怪我すんなって言わないだけ譲歩してます」
「……怪我しないとは言えねぇよ、信じないだろ?」
「信じませんよ、どーせ護りたいものがあれば飛び出して行っちゃうんだから」
「うん、そうだね、ところで新八くん」
「なんですか銀さん」
「ちゅーさせてください」
「早っ! 展開早っ!」
「うるせーちゅーぐらいいいだろうが今まで俺がどんだけ我慢したと思ってんだぁああ!」
「てかいい大人がちゅーってなんだ恥ずかしい人だな!」
「じゃあキスさせてくださいこれでいいかこんちくしょー!」
「だから展開早いって言ってんでしょうが! まずは交換日記あたりから……」
「中学生!? いや今時中学生でもやらないよ交換日記って! そういやこの子文通とかやっちゃう16歳男子でしたねー!」
「個人の勝手だろうが! ……もう」
「……へ、」
「さ、最初はこんなもんでしょう」
「……新八ぃ、お前の手あったかいね」
「……銀さんこそ」
「ほっぺたもあったかそーに血色づいてんなあ」
「人のこと言えませんよ、本当にもう」


※一生やってればいいと思う。後新八くん、結婚できないことにツッコミなさい。


・理想のヨメ(長谷川さんと銀さん)

長谷川はすでに許容量を超えたアルコールを摂取したらしい銀時を見下ろした。彼は今、飲み屋のカウンターに片頬をべたりとくっつけて長谷川を見ている。
「へへー、おかしいな長谷川さんが二人に見えらぁ」
「ピッチ早えなあ」
呆れたように呟いた長谷川は、かなり薄められた焼酎を口に運んだ。きついものが飲みたいと体は願っているが、二人合わせても寂しい懐事情ではそうはいかない。二人はたまに共にパチンコをして負けたり、賭場に行って負けたり、競馬に行って負けたりする友人のような関係だ。こうしてたまに金がある時などは飲みに繰り出すこともある。今日も他愛もないことや、互いの生活に対する愚痴などを酒の肴に飲んでいた。
「そういやよぉ、こないだ飲みに行った店の娘が言ってたぜ、銀さん今いい人いないのぉー?だってよ、もてる男は辛いねぇ」
「あー? そーでもねーよぉ」
長谷川も酔ってはいる。呂律は普段より怪しかったが、銀時はそれを上回る怪しさであった。
「いやいやマジな話、そろそろ銀さんも嫁さんとか家庭が欲しい年頃じゃねーの?」
「家庭に失敗した人に言われたくないんですけどーお」
ダイレクトに心の傷をつかれた長谷川は心なしか背を丸める。ハツ、と呟く彼の目には光る物があったが、飲み屋でも外さないサングラスのせいで一切見えない。
「でもそーさなぁ、ヨメさんいーかもなあ」
「お? 意外ー」
「いやほら俺って亭主関白だしぃ? 家事は完璧じゃなくてもいいからある程度出来る子でー、黒髪のストレートな、意地でも天パの遺伝子は世に残さねぇから」
珍しくこの手の話に乗ってきたな、と長谷川は思いながらへらへらと緩んだ口元で喋る銀時を見る。普段はこういった話になると一方的に長谷川がハツとの思い出を語り、自分で自分をどん底の気分に突き落として終わることが多いのだ。
「家計管理できて、甘いもんたまに食べさしてくれて、仕事少なくてもあんまり怒らない、でもたまに叱ってくれる、みてーな」
「理想高いなぁ」
苦笑いすることで応えたが、銀時には長谷川の顔は見えていないに違いない。楽しそうな口調といい、もしかしたら本当に将来を考えた人がいるのかもしれないとすら長谷川に思わせた。
「譲れないもんとか持ってたりして、ちーと音痴でもまあいいや、俺のことわかってくれてー、あもちろんかわいい奴な、積極的じゃなくて地味めで、原石美人で、なんも知らねーような、剣術一筋でしたー、みたいな」
「……銀さん? もしかしてそれって」
「んで、江戸一番のツッコミでメガネ」
にやり、と長谷川を見上げて笑う銀時の目は、常とは違った色合いに澱んでいた。
「……銀さぁん」
勘弁してくれよ、と長谷川は酒を呷る。思い直してみれば、銀時の言葉一つ一つが彼の助手のメガネ少年のことを指していた。だが今の話にはそぐわないのではないだろうか、銀時の中で話が妙な具合に混線したのかもしれない。
「んだよ? 俺のヨメっつったらもーあいつしかいねーじゃん」
「え、そなの? 二人そういう関係だったの?」
「だって俺あいつ以外いらねーもん」
そういう銀時の声が酔い以外の真剣な何かを帯びていて、長谷川は目をみはった。
「まだ俺のもんじゃねーけどさぁ、いつか俺のもんにすんの、決めてんの」
「……向こうの了承取った? なぁ大丈夫?」
「だってよぉ、まだじゅーろくよ? そん時何してたか覚えてっかよ長谷川サン」
「いやぁ……」
そう言われてみれば首をひねるしかない。16の頃の記憶など、すでに遠い彼方だ。
「奥さんに出会ったのとかもっと後だろ」
「そりゃなあ」
少なくとも成人は越えていた。あの海でハツと長谷川が出会った時の話は、この際関係がないので省略する。ともかく、16の頃自分が将来の伴侶を考えていたかと思うと、そうではなかった。
「俺にはもうさ、あいつしかいないって決めてんよ? でもあいつはそーじゃないかも知れないじゃん、そういう奴出てきたら俺がぶった切るけどさあ」
「おいおい!」
「じょーだんだってぇ」
そう言う銀時の顔は酔いに侵されていても冗談を言っている顔には見えず、長谷川は少し退いた。だが普段から冗談だか本気だかわからないことばかり言っているのであまり変わらないかもしれない。
「……思春期のしょーねんの大事な時間もらっちゃってんだから、俺の一生ぐらいじゃなきゃ釣り合わないと思わねー?」
「それ新八くんの一生もって宣言してるよね」
長谷川の決死のツッコミは銀時の耳を都合良く素通りして行ったらしい。
「そーいう奴をさあ、人の勝手でバカのペットの餌にされそーになったんだよねぇ」
がばぁ、と銀時は起き上がった。長谷川は引き続き痛いところをつかれてうげ、と呻く。
「んな今更蒸し返すかフツー!? 二話の話じゃん初期じゃん! 忘れてよ!」
「んんー普段は忘れてんよ? でもほら三百話近くなったからこそ初心を忘れちゃいけないっつーかさあ」
「忘れていいとこじゃんそれ! きっちり根に持ってんだろぉ!?」
慌てる長谷川の鼻先に、銀時はびっと指を一本突きつけた。
「ここ長谷川さんのおごりな」
「なんでそーなるの!?」
「そしたら忘れられるかもしれないってもう一人の俺が言ったからよぉ」
「結局それが言いたかっただけ!?」
ぎゃんぎゃんと騒ぐ長谷川に、おごりだと言い続ける銀時の胸中は、アルコールの匂いに混じって誰にも推し量れない。
――ほら、余計な金使って帰るとヨメさんに叱られますしぃ?


※テーマ「新八にべた惚れの銀時」。長谷川さんゴメン。


・娘の不安(神楽ちゃんと銀さん・微病み注意・若干下品)

「……ねえ銀ちゃん」
「なんだ? 酢昆布ならねーぞ」
「レディに向かってなんということを言うアルか」
いつになく真面目な表情の神楽に、とりあえず銀時は軽くボケた。実際銀時の財布を逆さにして振っても酢昆布代すら出てこないことは明らかであったが。
「私銀ちゃんのことも新八のことも大事ネ。定春はごっさ大事だけど」
「……おお、そらどーも」
神楽は銀時の目を見る。少しびっくりしたらしく、新聞から顔を上げてあちらも神楽を見ている。神楽が知る限り、この地球で一番強いように思える、侍だ。
「今日は出かけないでいいアルか」
神楽の言葉に、銀時はぴくりと反応した。もう一人の万事屋メンバーである新八は、今日はいない。万事屋に定休日も何もないようなものだが、とにかく休みをもらっていて今日は一日ここには来ない。
「……金ねーし?」
「今日の新八の予定は?」
「ああ、今日は一日かけて姉弟で道場の掃除だってよ、買い出しは昨日行ったから今日は行かねえって」
すらすらと答えられて、少しめまいがする。この男は少し前まで、こうも従業員の行動を気にする人間ではなかったはずだ。大体休みの日の新八の予定まではまだいい、そういう話になる時もあるだろう。だが今日自宅から外出しないことを確認して安心しているのは少し、おかしい。
銀時は最近外出が増えて、減った。こう言うのはおかしいが、神楽の見ている限りでは新八がいる日はそれこそ一日中でもごろごろしている癖に、新八が休みの日は朝も早くからこそこそと出かけていく。
「手伝いに行かないでいいアルか」
「依頼料出るわけじゃねーし行かねえよ、どうせゴリラが手伝おうとしてお妙にぶっ飛ばされるだろ」
それは確かに一理ある。あのストーカーのことを知らない輩は神楽の周りにはいないが、神楽には今一つ懸念がある。この上司も、そのストーカーの仲間入りを果たそうとしているのではないか。
どこに行くにも相手の居場所を知りたがる、気配を感じていなければ落ち着かない、それは真っ当な恋なのか。神楽にはわからなかった。経験が足りない。知識も不十分だ。
「銀ちゃん、新八がまともな就職先見つけて辞めたいって言ったらどうするネ」
「お前ここがまともじゃないって言ってやがんな。……んなことあいつは言わないんじゃね?」
「もしかしたらってことがあり得るアル。ぐうたら上司に見切りを付けたとか」
「付けるとしたらお前の大食いにだ。そうさなぁ……就職先でも潰すかね」
「……銀ちゃん」
ぴり、と空気が振動したようにすら思えた。銀時はすぐにへらりと笑って手をひらひらと振る。
「じょーだんよじょーだん、本気にすんなって」
もしかしたらこの男はやるかもしれない、と思わされる。
「……新八泣かせたら承知しないアルからな」
なにか、があったとき、新八のためにこの男を止められるだろうか。銀時は強い、恐らく神楽が今までに出会った誰よりも。自分に止められるだろうか、と神楽は拳を握る。
だがしなくてはならないのだ、神楽は万事屋の一員で、他の誰にもその役目を譲るわけにはいかない。
「……そーか、ありがとな」
銀時は手を伸ばして神楽の頭を撫でた。その大きな傷だらけの手は、神楽の髪を少しかき混ぜて去っていく。手の持ち主は不思議な顔で笑って神楽を見ていた。

一方、銀時の心中は。
(やべぇ布団の中で結構な頻度で泣かせてまーす☆とか言えねえ!いやあれはいいんだよねあれは銀さん気持ちいいですってことで泣いてんだから問題ないよねそういうことだからね、あっでももしかして銀さんが嫌で泣いてるとかそうだったらどうしようやべぇそんなことになったら俺が泣く。マジで泣く。今度聞いておこう問い正そうでも正面からそういう話題するとあいつ怒るんだよなー難しいなー)
神楽の心も、空気も今ひとつ読めない銀時であった。


※色々台無し。あと病みキャラ好きすぎるだろ自分。

キャラソン珍しく発売日に買ってきました!
キョンと同時発売で無かったのは残念ですが、きっとハルヒからの駄目出しがあったんだと思います。古泉のが素晴らしい出来だったもんでみんなキョンはもっとできるこ!と思ったんだ。もしくは12月頭の方に誕生日がある私へのプレゼントですね。すみません戯言です。
電車に揺られてアニメイトまで行って参りました。帰りにヨドバシにも寄ってきました。
しかしメイトはいつ行っても欲望と夢に溢れていますね。うっかり入り口付近にあった銀魂カレンダー(アニメ・原作)を買いそうになりました。夏目アニメのカレンダーとかなにそれ欲しいじゃない!CLAMPさんの画集も気になり、Xの18.5巻収録の言葉に釣られそうになりましたがぐっと我慢しました。
でも古泉を迎えに行ったはずなのに別ジャンル限定版DVDとか持ってました。予約もしてしまったが私は12月二回も大きい駅まで行かなければならないのか…? いや、9日を締め切りとすればいける。コピーをしにいく予定もある。
本売り場では愛しい愛しいSDGフルカラー劇場の最新刊が出ていてテンションテラテラでした。メイトのためなら全所持金を捧げても良いとすら思った(実際なりかけた)。本当は前から気になっていた百合系紅茶屋さんの本を買いたかったのですがちょっと先延ばしに。
帰宅してSDGFCのカバー裏を真っ先にチェックしたら完って書いてあって真面目に泣いた。あああでも本誌無くなってからも連載(季刊だけど)してただけ凄いんだよな…。内容は00祭りで新婚シャアの出番が少なめでしたらぶらぶで羨ましい限りだ!そしてどう読んでもエクシア→ガンダムだった。異論は認める。あーもうガンダムかーわいいなーあ。

これ与太話行きのこと語ってないかってもう一人の私が囁いたので真面目にキャラソンについて語ろう。
古泉最高、これに尽きるのだがって終わってしまった。
いやー耳に馴染む声っていいですね美声は得だ!美形で美声ってリーサルウェポンじゃないかどういう了見だ、ってキョンが言ってましたでもキョンも良い声をしている。
とりあえずもう八時間ぐらい聞いてるけど飽きが来ない。
「つまらない話ですよ」と僕は言う、の「お邪魔ですかぁ?」のくだりがやばい。ものすごくかわいい。初見から今まで何回聞いても色あせないかわいさ。そしてハレ晴れ歌詞の台詞が素晴らしすぎる。「ワクワクしたいと~」の台詞の後「時間の歪みの真ん中に、彼女がいた」っていう朝比奈さんの声が聞こえるのは幻聴です。ああ…二つとも全く優劣を付けがたい…。

あと、なんだ、全くもって勝手かつ凄まじい腐ィルターがかかっているのを自覚して心からクリエイターさんに懺悔をしながら言わせてもらうと、ああもう古キョンにしか聞こえませんよー!!ってことです。
いや…ほんとに…もう…。かわいいなあ!
更に妄想を書き連ねますが、「つまらない話」の方はハルヒ&キョンに向かって、「ただの秘密」の方は長門&朝比奈さんに向かっている歌詞のように思えます。特に「ただの秘密」の方はどうも消失古泉に思えてならない…。
連動して消失のことを全て把握している古泉とかも頭に浮かびました。消失時の記憶が残っている古泉、でもいいし通常時の記憶があるにもかかわらず消失態度を取る古泉、でもいい。
いやまあそれはともかく、「世界の共通言語では」ってところが気になりまして。想いという感情がそれ、でもいいんですけどどうしてもコンピュータ語?っていうんですかプログラム言語が頭をよぎりまして。どうもサビとか、「人の積み上げた物語を読んで」とか「人が繰り返す愚かさ」とかどうにも長門を連想させまして。時間とか些細な不自由とかのワードは朝比奈さんに通じるものが、とか考えてしまいます。「怒った顔でも~」の段落は消失ハルヒに向けているかキョンに向けているようにしか見えないのですが!
「つまらない話」は所々ハルヒ宛っぽかったりキョン宛っぽかったりするなあとまあ妄想なんですが!
なんか、古泉がSOS団を含めた「世界」を愛していると思える歌だなと思います。両方とも。
個人の解釈(しかも拡大・曲解)ですのでお気になさらず…。

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